第10回:REITの公募増資
今回はREITの公募増資についての解説です。
公募?増資?どういう意味なんだい?
資本を増加させる為に公け(おおやけ)に募集する、という意味で公募増資です。
先の例で言いますと、AB不動産REITは出資金100億円借金100億円で200億円のオフィスビルを購入しました。
その後、AB不動産REITの資産運用会社が100億円のお買い得なオフィスビルを見つけてきました。
が、これ以上借金するのは財務上よろしくない。さてどうしよう。という言った時に活用されるのが公募増資です。
REITの新規設立時と同じように、出資を募集します。
この時の価格はREIT設立時の価格ではなく、取引所で取引されている時価から1~5%位ディスカウントした価格です。
つまりREIT設立時に1口10万円で募集したけど、公募時に9万円だったり11万円だったりするの?
はい、ありえます。1口当たりの純資産価値以下で取引されている時に、公募増資するのはあまりよいREITではありませんね。もちろん時と場合によりますが。
時と場合とは?
例えば、物件の新規購入ではなく借金を減らすために増資する、というケースも考えられます。借金で首が回らなくなって、破綻してしまったら元も子もないですからね。
確かにそれはそうだ。
話を元に戻します。公募増資によって、AB不動産REITは50億円の追加出資金を得ました。
そして借入金を50億円増やして100億円とする事により、新しい100億円の物件を購入する事ができます。
この100億円の新規物件の利益というのは、REIT設立時の出資者にも配分されるのかな?
はい、もちろんです。所有投資口数が同じであれば、権利に差はありません。
初心者の為のREIT投資入門講座
- 第1回:REITとは何か
- 第2回:REITの仕組み
- 第3回:REITの種類
- 第4回:REITの管理
- 第5回:REITの借金
- 第6回:REITと取引
- 第7回:REITの分配金
- 第8回:REITの情報収集
- 第9回:REITの法人税
- 第10回:REITの公募増資
- 第11回:REITの投資主総会
REIT用語
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