第2回:REITの仕組み
今回はREITがどの様に作られるかを、仮の企業「AB不動産」という会社が新たにREITを作る場合の手順を説明していきますね。
東京にあるAB不動産株式会社は新しくREITを作ろうと、東京都港区にある200億円のオフイスビルを対象とした「AB不動産REIT」という法人を設立します。
その購入費用として、投資家向けに投資口1口10万円で10万口募集して、100億円を集める事にしました。
簡単な図にすると以下の様になります。
1口10万円か、実際に都心マンションの一室を買おうとすると最低1,000万円は必要だから随分は随分少なくていいんだね。
先程の比較表の[1]の必要資金が少なくて済むのは、複数の投資家から資金を集めるからか。
あれ、でも1口10万円で10万口募集では100億円しか集まらないよね。200億円のオフィスビル買うには足りないよね?
はい、そのままでは無理ですね。ですから、AB不動産REITは金融機関から資本金と同額の100億円を借り入れます。
これでAB不動産REITは200億円を調達でき、用意した不動産を購入できます。
借金するのか・・・。どうして投資家から200億円集めないで、100億円借金するんだい?危なくないかな?
もちろん借金はリスク要因の1つです。それでも借入するのは、借金した方がより多くの利益を投資家に分配できるからですね。
出資金を少なくすれば発行口数が少なくなります。そうすると1口あたりの利益が増えるので、当然1口当たりの分配金も増えます。
なるほどREITが借金するのは、出資1口あたりの利益と分配金を増やすためか。
はい、REITの借金については別項「REITの借金」でもう少し詳細に説明します。
基本的な仕組みが把握できましたら、次はREITの全体像を見てみましょう。
REITが所有している不動産の運用は、実際にはREITと契約した資産運用会社が行います。これはAB不動産株式会社のグループ企業です。
AB不動産REITが管理するのではないのか。
はい、そしてAB不動産REITは証券取引所に上場しますので、証券会社経由で売買できます。
電話一本、あるいはインターネットから簡単に売買できるのはREITの強みの1つです。
電話一本で売買か、それは簡単だね。
直接不動産を買ったり売ったりしようと思ったら、きっとかなりの手間がかかるんだろうしね。
REITの全体像は把握できましたでしょうか?いろいろな要素が出てきましたが、ここでは概要だけを把握できればokです。
少しずつ覚えていきましょうね。次はREITの種類について説明していきます。
初心者の為のREIT投資入門講座
- 第1回:REITとは何か
- 第2回:REITの仕組み
- 第3回:REITの種類
- 第4回:REITの管理
- 第5回:REITの借金
- 第6回:REITと取引
- 第7回:REITの分配金
- 第8回:REITの情報収集
- 第9回:REITの法人税
- 第10回:REITの公募増資
- 第11回:REITの投資主総会
REIT用語
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