第3回:集中投資はやめよう
「投資入門者が知っておきたい基礎知識講座」
第3回は 集中投資はやめよう です。
集中投資とは、極めて少ない対象に投資資金の大半を投入する事を言います。
ふむふむ、集中投資がダメな理由って何かな?
それはたった一つの問題が、資産に大きな損失をもたらしてしまう可能性があるからです。
例えばですが、10年程前まで証券業界では知名度があり業績も安定していて高い配当率を誇り、投資初心者にもお薦めの大企業がありました。
しかし、ある事件でその企業に投資したほぼ全ての人が大きな損失を出しました。さてその企業はドコの事でしょうか?
えーと、どこだろう?思い浮かばないな・・・
その大企業の名前は 東京電力 です。
あっ!
そう、日本人なら誰でも知っている大企業です。電力需要が無くなる訳もなく、首都圏への電力供給は、ほとんど東京電力が独占していました。
しかし東日本大震災・原発災害により、大きな損失を生み出しました。震災前に、これを予測した投資家はほとんどいませんでした。東京電力なら大丈夫!と考えて、投資資金を集中させていた人は大損害を受けました。
確かに原発災害が実際に起きるなんて、考えた事もなかった。
震災以前に投資を始めていて、東京電力に大きな投資をしていたら危なかったな・・・
こういった事態に備える為には、様々な企業、業種に投資先を分ける必要があります。これを 分散投資 といいます。
分散投資は、一度に大損害を受けるリスクを低減させる事ができます。
なるほどね。どんなに有望に見える企業でも集中投資はやめたほうが良い?
はい、どんなに有望な投資先に見えても投資先は分散させるべきです。。
有望だと思った投資先には、多めに投資する分には構いませんが、全資金を一極集中させる事は避けた方が良いですね。
ふむ、僕はソニーに投資しようと考えていたのだけど、他にもパナソニックとか三菱電機への分散投資も検討した方がいいかな?
いえ、それはあまり分散投資の意義が生きていません。
どうしてだい?仮にパナソニックが問題起こして損失を被ったとしても、ソニーの業績が良ければそちらの利益でカバーできる。それが分散投資の意義ではないの?
もちろん複数の企業に投資するのですから、広義の意味での分散投資に該当します。しかしどちらか一方が勝ち残るとは限りません。競争激化の結果、家電業界を不況が襲い共倒れという事もありえます。
先程の東京電力事の例で考えて見ましょう。東京電力は原発を再稼動できない状況が続いています。しかしそれは他の電力会社、関西電力や東北電力等も同様で、原発が稼動し辛い状況が続き、業績は芳しくありません。
つまり1つの問題が、必ずしも一企業に留まる訳ではなく、業界全体に波及してしまう事もあるのです。
そうか、家電業界の不況といった問題が発生する場合、この分散では損失が抑えられないのか・・・
はい、そういった状況も想定し分散投資を生かすには、例えば ソニーと三菱地所 かんぽ生命とサントリー と言った関連性が低い別々の業種を組み合わせる事が分散投資として有効なのです。
なるほどねぇ、電機メーカーと不動産業、保険業と飲料メーカーなど投資を多業種を分散させれば、何か問題が起こっても損失を抑えやすくなるのだね。
はい、他にも日本全体に問題が発生した場合も考えて見ましょう。例えば日本が戦争状態に陥ったり、東日本大震災以上の災害に見舞われた場合も考慮して、一部資金を海外に振り分ける事も有効です。
なるほど、でも海外の事はよく分からないな・・・海外にも投資しないとダメかい?
いえ、無理して海外に投資する必要はありません。よく分からないものに投資するには、それはそれでリスクがありますからね。あくまで国家リスクを低減させる事を考えた場合の一案というだけです。
OK!自分にあった分散投資を考えてみるよ。
頑張ってください。ちなみに分散投資は損失を抑えやすい傾向がありますが、損失が出ない訳ではありませんのでご注意くださいね!
・集中投資は一か八かのハイリスク投資
・分散投資は投資の基本
次回は 第4回:手を出すべきではない投資対象 です。
投資前に知っておきたい投資入門講座
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