第1回:テーマ株投資の失敗
このコーナーでは様々な投資失敗事例を紹介していきます。
失敗は成功の元、実際に失敗するのも意味ある事ではありますが、他の人の失敗経験からも学んでいきましょう。
第1回目はテーマ株投資についてです。
よろしく~でテーマ株投資って何だい?
テーマ株投資とは、世間で注目されている特定のテーマ関連銘柄へ投資する事です。
例を出すと、昨今注目されているテーマの1つとして、「AI(人工知能)」があります。AIは今後様々な業種で利用が見込まれる新技術です。
他にも高齢化に伴い需要拡大が見込まれる「介護」や「バイオ医薬」など様々なテーマに沿って投資するのがテーマ株投資です。
なるほど、投資するなら今後市場が拡大する事業を行っている企業に投資したいね。
でもそれが何か問題あるの?
例えば、ある企業がAI事業に新規参入するとしましょう。株価も上昇基調です。この企業の株式に投資しようと思いますか?
市場拡大が見込まれるAIに注力していて、株価が上昇も上昇しているなら沢山の人が将来有望と考えているはず。
・・・つまり投資対象としては中々よいのではないか?
いえ、2つの点で問題があります。
1つはAIは確かに今後様々な形で生活に絡んでくるでしょう。但し、それが利益に結びつく保証がある訳ではありません。
将来有望な市場な程、競争が激しいものです。もしこの企業が明確に他社より優位な技術でも保有してない限り、将来の利益貢献は見通しにくいと言えるでしょう。
市場拡大 = 利益拡大 ではない事に十分注意する必要があります。
なるほど、AIは将来有望だけど、その分ライバルが沢山いて競争を勝つ抜くことができるかどうかが不鮮明なんだね。
よく考えてみると、どの企業のAIがどれだけ凄いかはハイレベルすぎてよく分からないな・・・
そうですね、理解できないものへ投資はギャンブル性が高くなります。
2つ目は株価が上がっているからといって、将来有望とは限らないという事です。
株価動向は人気投票的な性質がありますので、株価上昇 = 将来有望 ではありません。
業績の伴わない株価上昇は、時間が経てば修正されていく可能性が高いので高値掴みをしてしまう可能性が大きくなります。
また株価が上昇しているという事は、すでにその収益貢献期待が株価に織り込まれているいう事です。
さらなる株価上昇は、期待値以上の業績を出す必要があります。これは簡単な事ではありません。
株価は利益増大だけではなく、期待だけで上がってしまうんだね。
期待が裏切られる結果になれば株価は下がってしまうのか・・・
インターネット・テレビ・新聞の情報は有用です。この技術は革命的だ!将来は巨大な市場ができる!そう言われると、その技術を持つ企業は将来有望に思えます。
しかし重要なのは、それらが本当に競争を勝ち抜けるのか?利益を生み出せるのか?を自ら考える事です。